筑波大など、炎症性腸疾患に有用メカニズム解明
 筑波大学の深水昭吉教授らの研究グループとエーザイ、EAファーマの両社は25日、エーザイが創出し、EAファーマが治験中の炎症性腸疾患(IBD)治療薬について有用な新規抗炎症メカニズムを解明したと発表した。科学技術振興機構(JST)による産学共同実用化開発事業(NexTEP)の助成を得た。

研究成果として、以下の3点を挙げた。
(1)炎症性腸疾患(IBD)治療薬として開発中の低分子化合物E6007の類縁体が、細胞内タンパク質のカルレティキュリン(CRT)に結合し、白血球の接着分子インテグリンとの相互作用を阻害することで、白血球全般の接着・浸潤を抑制する新規の作用メカニズムを解明した。
(2)本類縁体をIBDモデルマウスに経口投与したところ、病変部位への白血球浸潤が抑制され、顕著な抗炎症効果を示した。
(3)解明された抗炎症作用メカニズムは、新たなIBD治療薬として治験中E6007の価値向上と開発の加速化につながると期待される。

同研究成果は、5月17日付「Nature Communications」電子版で公開された。

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