2005年05月27日
経産省 エネルギー年次報告「東シナ海資源開発」取り上げ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

 経産省は27日、04年度版「エネルギー年次報告」を発表した。「安定供給の確保」「国際需給動向」「04年度に講じた施策の概要」の3部構成となっているが、ほかに重要事項として「エネルギー価格の高騰」「2030年のエネルギー需給展望」「京都議定書の発効」「東シナ海資源開発問題」など当面している8項目の重要課題を取り上げ、取り組みの現状を報告した。
 
 この中で「東シナ海資源開発問題」に関する報告内容は以下の通り。

◇東シナ海は、日中間の大陸棚および排他的経済水域にかかる境界が未確定だが、わが国は中間線により境界を画定すべきとの立場だ。中国の春暁油ガス田等の探鉱開発に対して、わが国は、契約鉱区及び構造の一部が日中中間線の日本側水域にはみ出しているとの懸念を有し、これまで中国側には累次情報提供を求めてきている。
 
◇2004年10月には、日中政府間の実務者協議を開催したが、中国側の情報提供は不十分であり、わが国は開発作業の中止を求めた。その後も強い要請を行ったが、中国は引き続き海上プラットフォームの建設やパイプライン敷設などの開発作業を継続している。
 
◇わが国は、日中中間線の日本側の石油・天然ガスに関するデータを収集するため、04年7月から3次元物理探査を開始した。この結果、春暁・断橋両ガス田の構造は、中間線の日本側まで連続していること等が確認された。これを踏まえて中国側に対し、改めて情報提供および開発作業の中止を要求した。

◇さらに05年4月には、東シナ海におけるわが国の主導的権利を確保すべき緊急性の高い海域について、試掘権設定の出願の処理手続きを開始した。春暁鉱区等以外にも中国が日本の排他的経済水域内に複数の鉱区を設定しているとの情報がある。わが国は今後、国連海洋法条約に基づく主権的権利、その他の権利が侵害されないよう適切に対応していく。