2007年06月26日
セラニーズ、南京の酢酸年産60万トン工場が操業開始
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

 セラニーズは江蘇省南京の南京ケミカルパークに建設していた年産60万トンの酢酸工場が6月半ばから本格スタートした。既にオンスペックとなり、フル稼働を行っている。

 同社のAO Plus 技術によるもので、投資額は148百万ドル。

 原料のメタノールとCOはいずれも、香港資本のWison(惠生)グループの子会社・惠生(南京)化学と長期契約を締結している。

 惠生(南京)化学は既に第一期として、南京ケミカルパークで20万トンのメタノールと30万トンのCOプラントの商業生産を開始している。

 同社はテキサコの石炭ガス化技術を使用しており、第二期としてはメタノール 8万トンとCO 32万トンを建設する計画をもっている。

 セラニーズにとって、この酢酸工場は統合酢酸コンプレックスの一部をなすもので、30万トンの酢酸ビニルモノマーが本年末か来年初めにスタートする。

 中国の昨年の酢酸の生産量は142万トン、これに対して消費量は210万トンとなっている。

 なお、同じ南京ケミカルパークで、BPとシノペックの合弁会社BP YPC アセチル(南京)が本年3月23日に酢酸工場の鍬入れ式を行い、建設を開始した。

 BPが50%、シノペック子会社の揚子石化が50%出資するもので、メタノールとCOを原料に、BP Amoco がモンサント技術を基に開発したCativa 法で年産50万トンの酢酸を製造する。

 2005年11月に設立され、当初は本年下半期のスタートを目標としていたが、建設開始の遅れで、スタートは2009年上半期となっている。

 BPとシノペックは重慶にも酢酸の合弁会社・揚子江アセチル社(Yaraco)を持っている。BP 51%、Sinopec 44%、地元 5%の出資で、当初能力は20万トンであったが、2005年11月に35万トンに増強している。