2010年11月18日
ミヨシ油脂、東ソーとの特許係争判決に不服、控訴へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東ソー

ミヨシ油脂(本社:東京都葛飾区、山田修社長)は18日、東ソーとの「ピペラジン系重金属固定化処理剤」をめぐる特許係争で、同日、東京地裁から東ソーの主張をほぼ全面的に認める判決の言い渡しがあり、ことを不服として直ちに知的財産高等裁判所に対して同判決の取り消しと東ソーの請求棄却を求める控訴手続きを行うと発表した。

ミヨシ油脂が製造・販売するピペラジン系重金属固定化処理剤が東ソーの保有する特許を侵害しているとして、東ソー側から製造差止と損害賠償(27億円余)を求める訴えがあり、両社で係争していた。

18日の地裁判決は、ミヨシ油脂側に製造差止めと11億9100円の賠償支払いが命じるものとなった。

判決内容は要旨次の通り。
(1)ミヨシ油脂が製造するピペラジン系重金属固定化処理剤の製造差止。
(2)当該重金属固定化処理剤の廃棄。
(3)ミヨシ油脂に対し、原告へ1,191,852,910円の支払い及び支払済に至るまで年5分の割合による遅延損害金の支払い。

ミヨシ油脂は、同判決を不服として直ちに控訴手続きを行い、今後は控訴審で正当性を主張していく方針。

また同社は、東京地裁から支払いを命じられた損害賠償金11億9100万円及び遅延損害金について、最終的に判決が確定した場合に備えて損失発生見込額14億1200万円を特別損失として今期決算に計上することを決めた。このため10年12月期業績予想を修正した。