2011年01月14日
宇部興産と日立マクセル、LiB用セパレーター合弁会社設立
「宇部マクセル」2月1日設立、社長に宇部興産・永田啓一氏
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産
「宇部マクセル」のロゴマ−ク

宇部興産と日立マクセルは14日、今後大幅な需要増大が見込まれるリチウムイオン電池(LiB)の塗布型セパレーターの製造販売を行う合弁会社「宇部マクセル」を設立することで合意し、同日調印した。

合弁会社は2月1日に設立し、2013年度に京都で量産設備を稼働させ、2015年までに現行のシェア10%を20%に引き上げる計画である。

セパレーターは、LiBの主要部材の一つであり、これまで宇部興産はポリエチレンとポリプロピレンの積層膜に均一な微細孔構造を形成させて良好なシャットダウン特性と高温耐熱性を実現したセパレーターを量産化している。

一方、日立マクセルは、磁気テープなどで培った無機微粒子の分散塗布するコーティング膜形成技術で、セパレーターの高温耐熱性向上、
異常発熱時の熱収縮抑制など安全性向上を実現している。

今回、両社の強みをドッキングさせることで、良好な性能と安全性の向上が図れる競争力のあるセパレーターが商品化できると判断、合弁会社を設立することにした。とくに、宇部興産の乾式原膜に日立マクセルの塗布を組み合わせることで、今後の伸びが期待できる自動車用LiBや民生ハイエンドの材料市場への参入が可能となる。

新会社の設立時資本金は1億5000万円で、出資比率は宇部興産51%、日立マクセル49%。社長には宇部興産の永田啓一・機能品・ファインカンパニー機能材第二ビジネスユニット長が就任、本社は京都府に置く。

2012年度までは開発に専念するが、2013年度をめどに量産化に移行、2015年以降に年間100億円の売り上げ規模に持っていく方針である。その段階で従業員規模も100人以上になる見込み。

LiB市場は、携帯電話やノートパソコン、デジタルカメラなど民生用携帯機器の用途を中心に拡大しており、今後、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車載用途などへの応用が期待され、大幅な需要の増加が予想されている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1294980545.pdf