2011年08月29日
三井化学、大阪工場のIPA アセトン法に転換・大型化
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
大阪工場

三井化学は29日、フェノール・チェーン事業強化策の一環として、大阪工場のプロピレン法IPA(イソプロピルアルコール)プラントを自社開発したアセトン法に製法転換し、新たに年産6万トンの大型プラントを同工場内に建設すると発表した。

投資額は約30億円。営業運転開始は2013年4月の予定。

<設備新設の概要>
(1)対象製品 IPA(イソプロピルアルコール)
(2)所在地  大阪工場(大阪府高石市)
(3)新設能力  6.0万トン/年(既存の2.8万トン/年プラントは停止)
(4)製法  アセトン法
(5)投資額  約30億円
(6)スケジュール  2013年4月営業運転開始(予定)

これまで使用してきた原料プロピレンは、今後、需給のひっ迫とともに価格の高騰が予想されている。このため同社は、フェノール・チェーンで生産されるアセトンを原料として使用し、原料の安定確保と国際競争力の強化を図る。

IPAは環境負荷の少ない溶剤として、塗料・インキ向けが需要の大半を占めているが、最近は高純度品が電子工業分野に使用されるなど、用途が広がっている。

わが国では三井化学のほかに、JX日鉱日石エネルギー(川崎)がプロピレン直接水和法により年産8万8000トン、トクヤマが(徳山)が同じく自社開発したプロピレン直接水和法により年産7万4800トン規模でIPAを生産している。三井化学の設備転換が完了すると、3社合わせた能力は現在の年産19万800トンから3万2000トン増の22万2800トンとなる。

<ニュースリリース参照>
フェノール・チェーンの強化・拡大について
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1314593174.pdf

New Facilities to Produce Acetone-based Isopropyl Alcohol at Osaka Works
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1314593174.pdf