2016年05月27日
プラ循環協、食品容器包装のLCA調査結果公表
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:プラスチック循環利用協会

プラスチック循環利用協会は26日、「プラスチック製食品容器包装に関するLCA(ライフサイクルアセスメント)調査研究結果」を発表した。その結果、容器包装用プラスチックが食品の損傷を軽減し、食品ロスが低減されることによって環境負荷削減に寄与することが示された。

これまで、プラスチック製品の使用段階を含めたライフサイクル全体での環境負荷の削減効果の定量的に解析した調査はあまり行われてなかった。今回は小売店における損傷していないモモとイチゴについて、トラック輸送時の振動を再現する試験機を用いて損傷を評価した。

まず、モモについて国内平均輸送距離(324km)でプラスチック製食品容器がない場合には、損傷率50・8%であるのに対して、一般プラ容器の使用で損傷率は5・7%まで低下し、機能性プラ容器使用では0・1%まで低下することがわかった。この結果、環境負荷は、GHG排出量は一般プラ容器使用で45%、機能性プラ容器で42%削減できることがわかった。

一方、イチゴの国内平均輸送距離(465km)では、包装容器がない場合の食品の損傷率が21・1%であるのに対して、一般プラ容器使用で4・0%まで低下し、機能性プラ容器使用では損傷率が1・4%まで低下する。この結果、GHG排出量は一般容器で12%、機能性プラ容器使用で8%削減できることがわかった。
このように、プラ容器が食品の損傷率を低減し、環境負荷の低減に有意であることが示された。これは、海外での日本産生鮮食品の輸送でもプラ容器が重要であることを示している。