2016年05月27日
産総研と群馬大、ヤヌスキューブの簡便合成法開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は27日、NEDOプロジェクトで産業技術総合研究所と群馬大学が、高機能シリコーン・ケイ素材料の原料として有用で特異な構造を有する「ヤヌスキューブ」の簡便な合成法を開発し、その結晶構造の解析に成功したと発表した。
NEDOでは、同事業の推進で2030年までにエコタイヤなどへの応用など、有機ケイ素部材の日本の出荷額を1兆円規模に拡大させ、日本の産業競争力強化につなげたいとしている。

この成果は、ドイツ化学会誌「アンゲヴァンテ ケミー」英語版(5月27日)にオンライン公開された。

今回開発されたヤヌスキューブの合成法は、従来の方法に比べて簡便であり、さらに多彩な置換基を自由に導入することが可能になる。とくに、ケイ素―フッ素を有する化合物(フルオロシロキサン)は、群馬大学が新規に合成したもので、これを用いることで、純粋なヤヌスキューブを初めて得ることができた。このように、新規なケイ素―フッ素化合物を合成し、それを用いて、これまでに例のないカップリング反応を試みたことにより、初めて簡便なヤヌスキューブの合成が可能になった。