2016年06月24日
国がん、結腸がんの再発予測へ遺伝子検査証明
【カテゴリー】:ファインケミカル
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国立がん研究センターは24日、横浜市立大学、米国ジェノミック・ヘルス社(本社:カリフォルニア州)との共同研究グループが、結腸がんを切除した後の再発の可能性(再発リスク)を予測する遺伝子検査「オンコタイプDX大腸がん検査」の有用性を証明したと発表した。

結腸がん用のオンコタイプDX大腸がん検査は、12個の遺伝子の発現量と独自のアルゴリズムに基づいて、患者ごとの再発リスクを予測する遺伝子検査で、海外の研究で有用性が報告されていた。今回の共同研究では、日本国内の12病院で手術のみを受けたステージ2と3の結腸がん1568人から、コホートサンプリングデザインに基づき、630人(再発210人、無再発420人)を抽出して、最終的に評価が可能な597人を対象に重み付きコックス回帰分析を行った。この結果、大腸がんの一つである結腸がんについて、再発リスクの予測を患者ごとに提供することが可能となった。また今後、手術後、がんの再発防止のために行う化学療法において、患者ごとの再発リスクに応じた薬剤の選択が進むことが期待される。わが国で遺伝子検査を用いたがん治療の個別化がさらに加速する可能性もある。

この成果は、米国臨床腫瘍学会の公式雑誌であるJoumal of Clinical Oncology誌6月21日付に掲載された。