2016年07月26日
大日住友薬など3社、拒絶反応の術前確認法 開発へ
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:大日本住友製薬

大日本住友製薬は26日、シスメックス(本社:神戸市、家次恒社長)、ヘリオス(本社:東京都港区、鍵本忠尚社長)と3社で、他家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞(RPE細胞)の移植前免疫反応検査法を確立するための共同研究開発を開始したと発表した。

iPS細胞を用いた移植治療には、患者本人のiPS細胞を用いる自家移植と、ドナー由来のiPS細胞(他家iPS細胞)を用いる他家移植の2つの方法がある。自家移植には移植用の細胞の作製に時間を要することや製造コストが高額となるなどが課題として浮上している。

一方、他家移植の場合、標準化された細胞を計画的に生産することで安価に供給することは可能と考えられているが、課題として免疫拒絶反応が生じることが想定される。免疫拒絶反応の有無を含めた移植適合性を、移植前に確認するための新たな検査法の開発が求められることになる。

今回、大日本住友製薬など3社は移植前免疫反応検査について共同研究を開始した。ヘリオスと大日本住友製薬は、他家iPS細胞からRPE細胞を作製してシスメックスに提供する。シスメックスは自社が保有するイメージングフローサイトメーターやタンパク質解析技術を用いて移植前免疫反応検査法の開発を行う。移植後の免疫抑制剤の投与回数/投与量の最適化など、今後の他家細胞移植療法への反映が期待される。