2016年08月18日
東北大、史上最大の生物大量絶滅の原因解明
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学大学院の海保邦夫教授(理学研究科)らのグループは18日、約2億5200万年前の生物の史上最大の大量絶滅時に、地球規模の土壌流出が発生し、浅海に無酸素状態を招いて生物に大変革を起こした、とする生物大量絶滅の原因に関する研究成果を発表した。堆積岩中の有機分子分析によって絶滅の原因を解明した。

2億5200万年前のペルム紀末に史上最大の大量絶滅が起き、ほ乳類など95%の種が絶滅した。この原因についてはシベリアの巨大火山活動による極端な温暖化と海洋深部の無酸素化と考えられてきた。大量絶滅は2段階で起きていて、1段目はより顕著となっている。

海保教授らの研究グループは、絶滅の1段階目で地球規模の土壌流出があり、浅海の生物生産量増大と酸素欠乏があったとする証拠を多数の地点で捉えた。だが2段階目の絶滅時には土壌流出は起きず、海洋深部の無酸素化が最大になった。このことは、シベリアの巨大火山活動による成層圏エアロゾルが気候変動を起こし、それによって陸上植生が崩壊し、土壌流出と浅海無酸素化が起きたことを示す、としている。火山から放出されたCO2などの温室効果ガスが地球温暖化を促進し、緯度による海水温度差が小さくなり海洋無酸素化が促進された。「一連の地球環境変動が原因と考えられる」としている。

同研究の成果は英国科学誌「Heliyon」(8月8日付)に掲載された。