2017年04月13日
旭化成の新事業、水電解、金属代替材料など多数
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭化成

旭化成は12日に開催した「新事業創出戦略」説明会の中で、2025年度までに期待される新事業としていくつか具体例を挙げてた。すでに実証試験中のものもある。「独自性・差別性・付加価値性を最優先いて取り組む」と小堀社長も力を込める。
◇「アルカリ水電解水素製造システム」(再生可能エネルギーを水素に変換するシステム) :水電解によるエネルギー変換。クリーンエネルギープロジェクトの柱として期待されている。NEDO委託事業として実証運転を実施中で、2017年度内に10MWシステムの受注体制を確立する。燃料自動車、水素発電など市場見通しは明るい。
◇「高機能複合材料」(繊維・樹脂・加工技術の融合) :(1)自動車部材の軽量化に適用できる金属代替材料
を開発する。設計自由度が高く、比強度(単位当たり強度)に優れる、などの特長を生かす。また、セルロースナノファイバー(CNF)不織布シート(エポキシ樹脂を含浸可能なナノネットワーク構造をあらかじめ有するCNF不織布シート)も開発中だ。
◇「UVC LED」(化合物半導体を中核技術とした事業の拡大展開):世界で唯一の2インチAIN単結晶基板によるUVC LEDを量産化を目指す。殺菌用途におけるソリューショ事業を開発する。第1ステップとして殺菌用途みおけるデバイス発売事業最適設計コンサルタントなど、第2ステップで殺菌モジュール。システム展開へと拡大を図る。

これらは、いずれも自ら市場を開拓し創出する「市場創出型」の新事業。その一方で、ベンチャーキャピタル(VC)を通じた情報ネットワークの構築や、旭化成と親和性のあるベンチャー企業発掘などにより「新しい芽の取り込み」も行う考え。各領域(マテリアル、住宅、ヘルスケア)の強みをつなぎ「旭化成ならではの新事業創出を目指す」と同社の小堀秀毅社長は繰り返した。
なお、旭化成グループの目指す姿としては、2015年度1・94兆円の売上高を2025年度には3兆円に増大、営業利益は1652億円から2800億円に博大する計画だ。


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