2017年04月21日

東レ　中空糸限外ろ過膜で工業廃水再利用実証

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：東レ

東レは21日、工業廃水の再利用に関して、逆浸透膜の前処理に同社の限外ろ過（UF）膜「トレフィル」を適用することで、UF膜の運転コストを従来の工業排水再利用プロセスより約3割削減できることをパイロット設備で実証したと発表した。浄水設備向け出実績のあるトレフィルが廃水再利用にも有効であることが分かった。 実証の成果は、廃水処理が困難な中国の石炭化学工場廃水を対象にした研究でつかんだ。今後は工業廃水再利用用途への適用拡大を進めていく方針だ。 工業廃水は業種により廃水水質が異なり、さまざまな汚れ成分を含んでいる。中でも石炭化学工場廃水は、汚れ成分の含有量が多く、廃水処理が困難。東レは今回、汚れ成分が付きにくい特殊なPVDF素材の中空糸UF膜「トレフィル」を適用した。従来の工場廃水再利用プロセスに対し、UF膜へのファウリング速度を約7割低減させることに成功した。ろ過流量が約1・5倍に増加、運転コストを約3割削減させることが実証できた。 同成果は、9月5日～9日シンガポールで開催される「IWA　MTC　Conference」で発表する予定だ。