2017年04月26日
日本製紙、世界最大セルロースナノファイバー設備稼働
【カテゴリー】:経営
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日本製紙(本社:東京都千代田区、馬城文雄社長)は25日、石巻工場(宮城県石巻市)にセルロースナノファイバー(CNF)年産能力500トンの世界最大級設備が完成し、稼働開始したと発表した。

同設備は、TEMPO触媒酸化法(注)により、化学処理した木材パルプから繊維幅3-4ナノメートルと均一にナノ分解したCNFを生産することができる。得られるCNFは透明で、さまざまな機能付与が可能という特徴を有する。
NEDO「ナノテク・先端部材実用化研究開発」プロジェクトの成果。

日本製紙は2013年、岩国工場(山口県岩国市)に実証設備を完成して以来技術開発を進めてきた。2015年には世界で初めてTEMPO酸化CNFに抗菌・消臭機能を付与た大人用紙おむつを実用化した。今年6月には石野膜に続いて富士工場(静岡県富士市)でCNF強化樹脂(PPなどを混練)の実証設備、9月には江津事業所(島根県江津市)に食品添加剤向けCNF量産設備が稼働開始の予定だ。

豊富な森林資源をを有するわが国にとって、セルロースファイバーは有望素材として期待されている。

【用語の解説】
・TEMPO触媒酸化法とは :東京大学大学院の磯貝明教授(農学生命科学)らが開発した、TEMPO触媒によるセルロースロスの化学変性方法。パルプが解繊しやすく均一な幅のナノファイバーが得られる