2017年05月08日
大分大、アンモニアから水素を簡単に取り出す触媒開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:なし

大分大学理工学部の永岡勝俊准教授らの研究グループはこのほど、アンモニアから水素を簡単に取り出す触媒プロセスを開発したと発表した。室温でアンモニアと酸素(空気)を触媒に供給するだけで、外部からの加熱なしに反応を繰り返し起動させ、瞬時に水素を取り出すことができる。触媒への吸着熱を利用した新しい反応の起動方法として注目される。同プロセスの利用によって、水素製造にかかる起動時間の短縮、省エネ化、装置の小型化が期待できる。

アンモニアをエネルギーキャリアとして利用するためには、短時間で起動でき、水素を高速で製造できるアンモニア分解プロセスが求められていた。永岡准教授らは、アンモニアの触媒への吸着熱を利用することで触媒層を内部から加熱し、室温で水素製造反応を起動させる新しい触媒プロセス開発に成功した。触媒表面の酸点と金属酸化物粒子表面へのアンモニア吸着が、反応起動のためのキーステップであることを明らかにした。今後、再生可能エネルギーとして。水素エネルギーの利用技術発展への貢献が期待される。

同成果は、米国科学技術振興協会の学術誌「Science Advances」オンライン版に4月29日掲載された。