2017年05月08日
理研、NASAの宇宙線観測に新開発プラレンズ提供
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理化学研究所は8日、超高エネルギー宇宙線観測用の広角望遠鏡に使用する1m角のプラスチックフレネルレンズを開発・製作したと発表した。また同レンズを用いた広角望遠鏡を搭載した、NASAの超高圧成層圏気球が4月25日、ニュージランドのワナカからの放球に成功した。

レンズの設計は理研のEUSOチームと戎崎宇宙計算研究室、製作は大森素形材工学研究室を中心に日本特殊光学樹脂、池上金型工業などが協力して行った。EUSOチームには日本のほか米国、フランス、イタリア、ドイツなど多くの国の研究者が関わっている。

理研の共同研究グループは、今秋イタリア及びロシアの宇宙機関が共同で実施する「Mini-EUSO」にもフレネルレンズを提供する予定だ。

【用語の解説】
■フレネルレンズ :通常のレンズの同心円状の領域を、レンズの表面・裏面の曲線構造を分割して厚みを減らして配置したもので、結果として、のこぎり状の断面構造を持つレンズとなる。使用する材料を減らし軽量・薄膜化できる特性を有するが、結像能力は落ちる。集光型太陽電池の場合はそれほど結合能力が要求されないため多く用いられる。材料にはアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが使用される。