2017年05月09日
京大とサンスター、米ぬかから血圧降下ペプチド
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学は8日、大日向耕作准教授(農学研究科)らの研究グループが、サンスター(本社:大阪府高槻市)との共同研究で、玄米の胚芽と表皮にあたる「米ぬか」のタンパク質を酵素で分解して得られたペプチド(アミノ酸が複数連結したもの)混合物「ライスピールペプチド」の血圧降下作用を明らかし、そこから新規血圧降下ペプチドを発見したと発表した。
同成果は、5月19~21日、沖縄で開催される第71回日本栄養・食糧学会で発表する。

研究グループは、ライスピールペプチドの血圧降下作用と血圧降下作用のあるペプチドの探索を試みた。モデル動物の高血圧自然発症ラット(SHR)にライスピールペプチドを継続的に経口投与したさせたところ、血圧上昇が抑制されることが明らかになった。さらに、ライスピールペプチドに含まれる複数種類のペプチドの機能性を分析し、その中から新しい3残基ペプチド(3つの官能基を持つペプチド)が血圧降下作用を示すことを発見した。
この新しいペプチドを高血圧モデル動物に飲ませると、強い血圧降下作用を示すだけでなく、低用量の経口投与で持続的な血圧降下作用を示すことから、今後、さらなる応用が期待される。