2017年05月15日
富士フイルムとファンペップ、HPVペプチド薬共同研究
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フイルムは15日、大阪大学発ベンチャーのファンペップ(本社:大阪府茨木市、平井昭光社長)と、ヒトパピローマウイルス(HPV)に対する抗ウイルス薬の共同研究契約を締結したと発表した。ペプチドを用いた中分子医薬品分野を中心に、HPV抗ウイルス薬創出を目指す。

中分子医薬品は、低分子医薬品と抗体医薬品(高分子医薬品)の中間にあたる分子量を有し、化学合成による製造が可能。このため細胞膜透過性に優れる低分子医薬品の特長と、副作用が少ないという抗体医薬品の特長を併せ持つ。中分子医薬品は、有効成分が細胞内に入ることで、細胞内でのタンパク質間相互作用を阻害するアプローチなどが可能となるため、従来医薬品と異なる新しい創薬標的が狙えるとされてきた。化学合成法のため製造コストが抑制できる点も有利となる。

ファンペップは2013年の設立。大阪大学大学院医学系研究科の機能性ペプチドに関する研究成果を実用化する目的で設立された。ペプチドの多様な機能を活用し、化粧品から医療機器、再生医療、医薬品まで広範な分野に展開中だ。富士フィルムは今後、新規ウイルス薬の創出を通じて、HPV感染症に対する治療法の新たな選択肢提供を目指す。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1494821080.pdf