2017年05月15日
三菱ケミ、シラン架橋性樹脂専用の脱スズ触媒MB開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱ケミカル

三菱ケミカルは15日、ポリオレフィン系のシラン架橋性樹脂「リンクロン」専用の脱スズ触媒マスターバッチ(MB)を開発したと発表した。
欧州ではこのところスズ化合物の使用濃度の制限や乳幼児への用途使用を禁止するなどスズ製品に対する規制が厳格化されており、スズ含有触媒MBの代替品開発が強く求められていた。
従来のスズ含有触媒MBは、架橋反応速度が速く、基材への着色もないなど品質的に優れており、代替品の開発は容易でなかったが、同社は今回、新たな代替触媒を見出した。リンクロン向けに改良することで、従来品と同等の架橋反応速度・性能を有する脱スズ触媒MBの開発に成功した。
この脱スズ触媒MBで成形した製品は、従来のスズ含有触媒を使用した製品と同等の耐熱性や耐クリープ性を持ち、リンクロンのすべてのグレードに適用が可能である。さらに、従来品に比べ、常温における架橋反応速度および架橋到達度が高く、従来必要であった熱水処理設備がなくても性能を発揮できるため、リンクロンの新しい用途・市場を開拓できる可能性がある。
同社は今後、全世界で管材・被覆材等の既存用途および常温架橋性を利用した新しい用途・市場の開拓を進め、機能性樹脂事業の拡大を加速させる方針だ。