2017年05月17日
筑波大、カビ(菌糸)が伸びる仕組み解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

筑波大学の竹下典男助教(生命環境系)らの研究グループは16日、カビが伸びる仕組みを解明したと発表した。カビの有用性と病原性を特徴づける菌糸の伸びる仕組みを超解像顕微鏡を含む蛍光イメージング技術によって明らかにした。具体的には、菌糸細胞が先端を伸ばす際、菌糸先端でのアクチンの重合化、酵素の分泌、細胞の伸長が周期的に起きること、そして細胞外からのカルシウムイオンの一時的な取り込みも周期的に起き、上記のステップを同調させ制御していることを明らかにした。一見、菌糸細胞が一定のスピードでスムーズに伸びているようにみえるが、そうではなく、いくつかのステップを周期的に繰り返すことで、細胞を徐々に伸ばし続けいるこることが明らかになった。
カビの伸びる仕組みを理解し制御することは、醸造・発酵、抗生物質・有用酵素生産など広く、農業・食糧・医学分野の開発につながる。研究は科学技術振興機構(JST)戦略的研究(ERATO)の一環。
同成果は、米国アカデミー紀要(PNAS)オンライン版で5月15日(米国東部時間)付で公開された。