2017年05月18日
名古屋大、安定アミドを効率よくアミンやアルコールに変換する触媒開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:名古屋大学

安定アミドが化学的に安定しにくく、燃料や医薬品合成の中間体として重要なアミンやアルコールに効率よく変換(水素化)する触媒がなかった。名古屋大学大学院の理学研究科の齋藤進教授らの研究グループは、JST戦略的創造研究推進事業において、多彩な安定アミドをアミンやアルコールに効率よく変換(水素化)できる触媒を開発した。
低湿で低水圧の温和な条件で反応が進み、副生成物が少なく、多くの種類のアミドを目的のアミンやアルコールのみに変換する触媒を開発した。
新しいルテニウム錯体を開発し、安定な水素分子と安定アミドの両方を反応しやすい状態にする新しい安定アミドの水素化触媒を見出した。この触媒によって、水素化できる安定アミドの種類が大幅(25種類以上)に増えた。さらのこの触媒を用いて二酸化炭素由来の安定アミドを水素化し、これまっでにない高効率でメタノールが売られることから、同触媒法は簡便なメタノール合成法として、二酸化炭素の資源利用にも貢献すると期待される。
天然に豊富になバイオマス資源である安定アミドをアミンやアルコールに変換し、炭素資源として活用することで、炭素循環型社会の実現に貢献できると期待される。

同研究成果は5月16日(英国時間)の英国科学誌「Scientific Reports」オンライン版に公開された。