2017年05月18日
山本・宇部興産社長、18年度中計達成に自信
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産
山本 謙社長

宇部興産の山本謙社長は18日の記者会見で、現行中計「Change&Challenge 2018」の進捗状況について、「全体的にはほぼ順調に推移している」と説明したあと、計画最終年度となる18年度の見通しについても「ハードルは高いが(目標が)達成できないことはない」と達成に自信を見せた。
最終年度(18年度)目標数値(単位:億円)は、売上高7500(17年度7000)、営業利益500(400)、経常利益490(380)、純利益290(245)で、営業利益の場合25%の上乗せが必要となる。

山本社長は17年度の業績が回復した最大要因として、化学カンパニーの「完全復活」をあげ、積極的に資源投入してきたナイロン、合成ゴム、セパレータ、高機能コーティングの各事業が利益拡大を牽引した」と強調した。また基盤事業である「ラクタム・工業薬品、ファインケミカル、セラミックス、分離膜なども徹底したコストダウンや新機能創出などの取り組みが効果を挙げ、下支えした」と振り返った。

化学部門の復活には、ナイロン原料カプロラクタムのアジア市況回復が見逃せないが、今後の見通しについての質問には「供給過多の状況には変わりがないし、なぜ市況が好転したのかもよくわからない。ただ、最悪状態になるとお互いに経営が成り立たなくなるということは知ったと思う。これからも市況に動きはあるだろうが、以前のようなことにはならないだろう」ときっぱりとした口調だった。

電池材料のセパレータ事業については、新プロセスの立ち上げなど生産性の向上と開発力(品揃え)を強化し、車載用セパレータトップメーカーとしての地位をさらに固める。「ただ設備を増やせばいいというやり方はしない。ユーザーの要望に応えながら効率的に拡大していきたい」と慎重だった。