2017年05月22日
京大、赤外光の1桁波長可視光に変換成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学は22日、田中耕一郎理学研究科教授らの研究グループがグラフェン(炭素原子が蜂の巣状に結合した1原子の厚さのシート)に赤外パルス光を照射すると、波長が1/5、1/7、1/9の可視パルス光が生成されることを発見したと発表した。これは「高次高調波発生」と呼ばれる現象で、炭素の単一原子層(厚さ0.335ナノメートル)超薄膜であるグラフェンで実現したのは世界初の発見。

グラフェンに赤外光を照射すると、波長が1桁短い可視光が生成され、楕円偏光状態出効率を最大化できることを世界で初めて発見した。グラフェンが「ディラック電子状態」を持つことが、変換効率の偏光特性に重要な役割を果たしていることを理論的に提示した。

グラフェンの次世代超高速エレクトロニクスの基幹材料としての利用や、赤外光の新しい検出法への応用に道を開く成果としている。

同研究成果は米国科学誌「Science」(5月19日)に公開された。