2017年06月12日
産総研、CNTで高性能の電磁波遮蔽塗料開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は12日、CNT実用化研究センターの開発チームが、カーボンナノチューブを用いて高い電磁波遮蔽能をもつ膜を形成する塗料を開発したと発表した。

従来の電磁波遮蔽塗料には、基材の選択性に制限があったり、付与できる電磁波遮蔽能が低いなどの課題があった。今回研究チームは、電磁波遮蔽能を持つ塗布膜を成形できるSGCNTを用いた水性塗料を開発した。基材の選択性が高く、バーコート法、スプレー法、ディップ法などさまざまな塗布方法で利用できる。平面ばかりでなく、複雑な形状の基材にも塗布膜を形成することが可能だ。

形成した塗布膜は高い電磁波遮蔽能と高温での耐久性を持ち、柔軟性があるため、基材の変形にも追随できる。今後、高温環境で使用される自動車用ワイヤーハーネス、複雑な形状を持つ産業用ロボットなどさまざまな分野での電磁波遮蔽対策への活用が期待される。

同技術は6月14日~15日、東京都江戸川区のタワーホール船堀で開催されるプラスチック成形加工学会第28回年次大会特別展示ブースに展示する。