2017年06月16日
NEDO「消化管での吸収性に優れた糖鎖オリゴマー」開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:NEDO

NEDOは15日、丸共水産(本社:北海道稚内市、宮本宣之社長)と北海道立総合研究機構がヒトの消化管での吸収性を大幅の高めた糖鎖オリゴマー(商標名:ナノ型コンドロイチン)を開発し、マイクロ化学プロセス処理技術を応用して量産技術を確立したと発表した。NEDO「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」の成果。

コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸などの糖鎖は、ウロン酸とアミノ酸の2糖繰り返し単位が長くつながった構造を持つ直鎖上の多糖類で、古くから医薬品や栄養食品として利用されている。だがこれらは、タンパク質分解酵素では分解されず、ヒトの消化管でもほとんど消化吸収されないため、その機能性が十分発揮されているとは言えなかった。

丸共水産と北海道総研機構の研究グループは今回、こうした多糖類をヒトの消化管で吸収できるサイズに低分子化し、吸収性を大幅に高めることによって、少ない量でより優れた効果が得られる糖鎖オリゴマーを開発した。さらにマイクロ化学プロセス処理技術を応用し、糖鎖の大量生産技術を確立した。今後はさらに、糖鎖オリゴマーの持つ機能性を探求し、新たな機能性食品や医療用素材として開発を進めていく方針だ。