2017年07月21日
理研、高機能抗体のデザイン技術開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所の横山茂之上席研究員(横山構造生物学研究室)と坂本健作チームリーダー(ライフサイエンス基盤研究センターアミノ酸技術研究チーム)らの共同研究グループは21日、人工アミノ酸を使って抗体医薬の化学修飾に有用な部位を特定し、多様な機能性を持つ抗体「Variabody」の作製に成功したと発表した。

共同研究グループは、大腸菌RFゼロ株で生産したTra-Fab抗体に人工アミノ酸を導入することで、化学修飾に適した部位を多数特定した。また、これらの部位を利用して、Tra-Fab抗体に抗がん剤を結合させた武装抗体や、2つのTra-Fab抗体をさまざまな組み合わせで連結した二量体Tra-Fab抗体が作製できることを示した。共同研究グループはこの連結技術および作製された抗体を「Variabody」と名付けた。今後、抗体の医療・産業応用を広げる新しい形式として抗体医薬開発への貢献が期待される。

同研究成果は、米国科学誌「Bioconjugate Chemistry」掲載に先立ち、7月20日付オンライン版で公開された。