2017年08月08日
産総研、カルシウムイオン欠乏、染色体異常の原因
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

産業技術総合研究所は7日、バイオメディカル研究部門の高田英昭主任研究員らが、カルシウムイオンが欠乏すると、動原体微小管が不安定化し、染色体の整列が異常になることを発見したと発表した。

細胞分裂中に細胞内のカルシウムイオン濃度が低下すると、分裂期の染色体の整列異常が観測される。今回、細胞内の微小管と動原体タンパク質の動態をライブセルイメージングや免疫学的手法により詳細に観察して、カルシウムイオン濃度の低下が、動原体タンパク質の一つであるCENP-Fの動原体からの消失を引き起こすことを発見した。今後、カルシウムイオンがCENP-Fに作用するメカニズムを明らかにすることで、生物がゲノムを安定的に維持する仕組みの解明が進むと期待される。

同研究成果の詳細は、学術誌「Scientific Reports」オンライン版に8月4日掲載された。