2017年08月25日
東大と筑波大、テラヘルツ光を用いた遠距離セシウム検出法開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

東京大学大学院理学系研究科の大越慎一教授(化学専攻)、筑波大学数理物質系の所裕子准教授らの共同研究グループは24日、テラヘルツ光を用いた遠距離セシウム検出法を開発したと発表した。

重い質量の原子を箱の中に閉じ込めると、ゆっくりと振動するのではないかという着想に基づき、マンガンー鉄シアノ骨格錯体の箱の中にセシウムを閉じ込めて試した。セシウムイオンは箱の中でゆっくりと振動した。それを格子振動(フォノンモード)計算とテラヘルツ分光法によって明らかにした。

検出マーカーとして開発した、マンガンー鉄シアノ骨格錯体は、セシウム吸着材料として知られるプルシアンブルーよりも高い収量でセシウムイオンを捕捉できる究極の吸着材料であることも見出した。

この特徴を生かしてセシウムイオンを非接触で検出できる新しいテラヘルツ光センシング技術を開発した。この検出法は、危険な環境や有害な状況下での放射性セシウムイオンなどの非接触検出と回収に有効と期待される。

同研究成果はは8月24日、「Scientific Reports」」オンライン版で公開された。