2017年09月13日
阪大など、光照射で「巨大」な磁気の波発生
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:大阪大学、日本大学

公益財団法人・高輝度光科学研究センター(JASRI)と大阪大学、東北大学、日本大学、愛知医科大学は13日、共同で「磁性合金薄膜にパルス光を照射することにより、これまでにない巨大な磁気の波が生成されることを発見したと発表した。この波は、磁気の変調を利用した素子や通信デバイスの開発に寄与すると期待される。

近年、物質の電子とスピンの両方の自由度を活用する電子工学「スピントロニクス」の研究が活発だが、その中で磁気の波(スピン波)を発生させて情報伝達に利用する新規技術の応用だ期待されている。

大型放射光施設SPring-8の瞬時に光る放射光を用いて、レーザーパルス光をGd-Fe-Co合金と呼ばれる磁性体の薄膜に照射した直後のスピンの振る舞いを「時間・空間」に分けて観測した。この結果、これまでの10倍程度の振幅を持つ「巨大」なスピン波を発見し、直接的に観測することに成功した。スピン波が励起される現象自体はこれまでも知られていたが、かつてない巨大現象として観測できたことで、スピンを用いた磁気通信技術の実用化に寄与すると期待される。

同研究成果は「Applied Physics Express」のオンライン版に9月12日(英国時間)掲載される。