2017年10月06日
森川・昭電社長「黒鉛電極世界トップめざす」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工
森川宏平社長

昭和電工の森川宏平社長は6日記者会見し、2日に買収完了したドイツの黒鉛電極事業会社SGL GEの今後の運営体制と事業見通しについて「市場規模で世界トップシェアをめざす。市況変動の影響を受けにくくし、経営の安定を図る。製造拠点が6カ所増え、世界的に地域のバランスもよくとれたかたちになった。統合効果を早く出し100億円以上の事業収益がコンスタントに上げられるようにしたい」と抱負を語った。

SGL GEは2日付で完全子会社化しSHOWADENKO CARBON Holdingと社名変更した。製造拠点は6カ所(ドイツ、オーストリア、スペイン、米国2、マレーシア)増えた。事業価値は350百万ユーロ(16年10月合意時点)。取得株式の総額は156億円だった。米国2拠点は11月上旬東海カーボンに129億円で譲渡する予定。

昭和電工の統合後の生産能力はEU地域90千トン、アジア地域85千トン、米国地域75千トンで計250千トンとなる。
「鉄鋼需要・粗鋼生産が世界的に落ち込み黒鉛電極市況も最悪だった2015~16年当時に買収交渉がまとまった。その後市況は回復した。今から思えば安く買えた。タイミングがよかった」「SGLはシーメンスなどと取引してきた有力会社だ。昭電の製造・プロセス技術を統合し、コストと品質で世界一をめざす。向こうから学ぶものもあると思う」などと意気込みを語った。