2017年10月26日
九大、「時差ぼけ」改善にアミノ酸L-セリン有効
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

九州大学大学院の安尾しのぶ准教授とファンケル(本社:横浜市、島田和幸社長)の共同研究グループは26日、アミノ酸の一種L-セリンを摂取すると、体内時計の針合わせが強められることを明らかにしたと発表した。

人の体には約24時間で刻まれる体内時計が備わっており、睡眠・覚醒状態やホルモン分泌・血圧などの生理活性が地球上の昼夜リズムに合うように制御されている。生活が不規則になると体内時計が乱れ、がんや糖尿病、高血圧、肥満などのリスクが高まる。

研究グループは20種類のアミノ酸のうちL-セリンを摂取すると、体内時計の針合わせが強められることをマウスの実験で発見した。昼夜時間を6時間ずらして人工的に時差ぼけを誘導した上でLーセリンを決まった時間に摂取すると、体内時計の針が速く進み、新しいリズムに同調することも分かった。

同研究により、栄養学的に体内時計の乱れや時差ぼけを改善できることが期待される。海外旅行や生活リズムの乱れによる不眠の改善など、体内時計の修正に広い応用が考えられる。

同研究成果は10月25日(米国東部時間)に「Journal of Nutrition」オンライン版に掲載される。