2017年11月09日
デンカ・山本社長、新5カ年計画 スペシャリティ化90%
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:なし
山本 学社長

デンカの山本学社長は8日記者会見し、2018~2022年度経営計画「Denka Value-Up」を策定したと発表した。この中で「外部環境の影響を受けにくいペシャリティ製品への転換・向上」を第一の目標に掲げ、最終年度の22年度には「スペシャリティ化率90%達成をめざす」との高い目標を示した。

山本社長はまず、このところの業績環境について「非常に順調にきている」とし、今年度終了する現行経営計画「Denka100」が目標数値を前倒し達成できたと説明した。一例として「生産体制の最適化」の項で、2012年度以前は5拠点だった海外拠点が現在は14拠点に増えた、また「コストの総点検」では目標としていた100億円のコストダウンを2年前から前倒し達成したことなどを挙げた。

18年年度から始まる新経営計画では、成長ビジョンとして(1)世界に存在感を示すスペシャリティの融合体(2)革新的プロセスによる生産性の飛躍的向上(3)働き方改革と健全な成長ーの3つを柱に掲げた。
最重要課題として「スペシャリティ化」をあげ、22年度の営業利益に占めるスペシャリティ化率90%(コモディティ率10%)達成をめざすとした。部門別で見るとヘルスケア25%、環境・エネルギー30%、高付加価値・インフラ10%、基盤事業25%で4部門合わせて90%となる。

営業利益面との関係で見ると、17年度は営業利益320億円、スペシャリティ化率60%だったのに対して、20年度はそれぞれ420億円、75%、22年度は500~600億円、90%をめざすとしている。

5カ年の投融資額は合計2000億円。このうち戦略投資にはスペシャリティ事業への投資600億円を含めて750億円を見込む。「さらに厳しくなる国際競争を生き抜くためにはプロセス改革も重要なポイントになる」として、工場運転の自動化やAI・IoT導入には積極的に取り組む。「M&Aにも数十億円は必要になると思う」など、他社との連携や買収にも積極的なと考えを示した。表情は穏やかながらも、スペシャリティ化とコストダウンに向けた姿勢には強いものが見られた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1510186667.pdf