2017年11月15日
淡輪・三井化学社長会見「長期目標に意欲」」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
淡輪 敏社長

三井化学の淡輪敏社長は15日記者会見し、経営の現状や今後の見通しを明らかにした。
まず「今年度は当社の合併20周年、14中計の最終年度ともなる重要な節目の年だったが、業績は応えてくれた」といい、通期ベースでは営業利益(1030億円)、経常利益(1050億円)、最終利益(730億円)いずれも2期連続の最高益更新が見込まれると説明した。

18年度からの次期中計は現在策定中だが、最終年度(20年度)の営業利益は1250億円をめざす考え。そのためにも成長3領域である「モビリティ」「ヘルスケア」「フード&パッケージング(F&P)」各セグメント拡大・成長に注力する。

経営の柱である「基盤素材」については、更なる競争力強化に向け(1)原料多様化などナフサクラッカーを中心としたコストダウン(2)PPプラントのビルド&スクラップ計画推進(3)独自のメタロセン触媒法PEの差別化拡大(4)コンビナート地域(千葉・大阪)の連携強化、などに取り組む。数値目標として、エチレン自消化率90%、製品差別化率80%以上の達成をめざす。

同社はまた、新らしいユニークな事業領域として「次世代事業(Next Generation Business)」を立ち上げた。「売るのはモノではなくソリューション、機能やシステムだ。太陽光発電では「診断」を事業化する。メディカル分野では細菌迅速検査システムを販売する。いずれもすでにお客はつき始めている。圧電センサも工夫次第で商品化できるはず」と、新製品創出に意欲を見せる。

2025年に向けた長期経営目標として、営業利益2000億円、成長投資1兆円、研究開発費700億円を掲げた。このうち営業利益は16年度に獲得した1021億円に1000億円を足せばいい。イノベーションを追求し「新製品の投入」により250億円、「次世代事業」で新たに250億円、「海外展開の拡大」で200億円、「既存事業」の成長と強化で300億円、合わせて1000億円と計算できる。「ローリングしながらやっていくが、無理な展望ということではない」と落ち着いた口調だった。