2017年11月29日
慶大、藍色染料が潰瘍性大腸炎治療に有効
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:慶応大学

慶応大学医学部の金井隆典教授(消化器)らの研究グループは28日、植物由来の染料が活動性の潰瘍性大腸炎の治療に有効であることをプラセボ(偽薬)対照臨床試験で科学的に実証したと発表した。

染料は、藍色の青黛(せいたい)と呼ばれる生薬で、金井教授らはこれまで青黛の経口投与が活動期の潰瘍性大腸炎患者に対し、従来の治療薬と異なる仕組みで高い有効性を示す可能性を少数例の単施設研究で示唆してきた。
今回研究では、青黛の用量を段階的に設定した、プラセボを含む臨床試験で青黛は70~81%という高い有効性を示した。有効性が示されたため、今後はさらに動物実験を含めた研究を行い、安全に使用できるよう治療開発を進める。同成果は今後、潰瘍性大腸炎の完治をめざした病態の解明と新規治療法開発への道筋になると期待される。

今回の研究成果は11月22日(米国東部時間)米国科学誌「Gastroenterology」オンライン版に掲載された。