2018年01月11日
京大、インフルエンザウイルスの遺伝の仕組み解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学の野田岳志 ウイルス・再生医科学研究所教授と、河岡義裕 東京大学教授らの研究グループは10日、インフルエンザウイルスが子孫ウイルスに遺伝情報を伝える仕組みを明らかにしたと発表した。

ウイルスが親から子へどのようにゲノムを伝えるのか。インフルエンザウイルスは8本のRNAをゲノムとして持っているが、8本に分かれたRNAがどのように子孫ウイルスに伝えられるのかの仕組みは明らかにされていなかった。

研究グループは、子孫ウイルスにゲノムを伝えるとき、8本のウイルスRNAを「1+7」 という特徴的な配置(中心の1本のRNAを7本のRNAが取り囲む配置)に集合させる過程が重要であることをつかんだ。さらに、ウイルスRNAが足りないときには、「1+7」 配置にまとめるために、感染細胞のRNAを奪う仕組みがあることがわかった。
インフルエンザウイルスの遺伝に関する巧妙な仕組みが解明されたことで、今後、ウイルスRNAの集合を阻害する新規抗インフルエンザ薬の開発につながることが期待される。

同研究成果は、1月4日午後7時に英国の科学雑誌「Nature Communications」で公開された。