2018年01月19日
東大・三菱ケミなど、大面積光触媒パネル反応器 開発
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東京大学、三菱ケミカル

NEDOと人工光合成化学プロセス技術研究組合(住友化学、三井化学など6社1団体で構成)は19日、東京大学、TOTO、三菱ケミカルとともに、人工光合成システムの社会実装に向けて、大面積化・低コスト化を実現する新しい光触媒パネル反応器の開発に成功したと発表した。

開発した反応器は、基板上に光触媒を塗布して形成したシートを用いて、わずか水深1mmでも実用化に十分な速さで水を安定的に分解し水素と酸素を放出できることを確認した。水深を浅くできたことで、既存の反応器よりも反応器内の水の量を大幅に低減できる。軽量で安価な材料で製造可能な構造なため、大面積化が実現できる可能性があることが分かった。さらに1平方メートルサイズの大型光触媒パネル反応器を試作し、自然の太陽光の下で水を水素と酸素に分解できることも確認した。

今回の研究成果は、光触媒を用いた人工光合成システムを社会実装する上で重要な、大面積・低コストの光触媒パネル反応器の設計に関する新たな基本原理を示した画期的なものといえる。

同成果は1月17日付(米国東部時間)の米国科学誌「Joule」オンライン速報版で公開された。