2018年01月30日
三菱ケミ水処理膜 韓国企業が採用、世界最大級
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱ケミカル

三菱ケミカルは30日、膜分離活性汚泥処理法(MBR法)による水処理膜が、韓国・SKハイニックス社の半導体工場向け排水処理設備に採用されたと発表した。子会社の三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(本社:東京都品川区、島田勝彦社長)が膜を納品する。

1日当たりの処理量が10万m3を超える大型設備で、産業排水用のMBR法設備としては世界最大規模。三菱ケミカルアクアが独自開発した水処理膜のエレメント及びモジュールを採用する。(1)高集積に中空糸膜を配置し、さらなる省スペース化を実現した(2)低ばっ気量でも高いスクラビング洗浄効率が得られるため、電力消費量の削減が可能となり省エネルギー効果が高い、などの特長を有する。

このところ半導体市場は、AI・IoTの普及もあって好調で、半導体工場内で発生する排水処理設備についても需要の増加が見込まれている。同社は引き続きMBR法設備向け水処理膜の供給を通じて、半導体産業の拡大に貢献していきたいとしている。

<用語の解説>
・ MBR法とは :Membrane Bioreactorの略。工場や下水の排水を浄化する「活性汚泥法」の一種。処理された水と活性汚泥を沈殿分離していた従来法に代わり中空糸膜を用いてろ過するMBR法が主流となってきた。沈殿槽を不要とするなど大幅な省スペース化を実現でき、維持管理が容易、水質の再利用が可能、環境負荷軽減などの特徴を持つ。