2018年03月29日
京大、屈折率を光で制御、レーザー光偏光も制御
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:京都大学

京都大学化学研究所の金光義彦教授らの研究グループは28日、ハロゲン化金属ペロブスカイトに光を照射することで大きく屈折率が変化することを発見した。さらに、この屈折率変化を利用してレーザー光の偏光を制御する実験に成功したと発表した。この成果は、光通信に用いられている光変調器や光スイッチなどの小型化につながると期待される。

研究グループは、ハロゲン化金属ペロブスカイトの単結晶に対してバルス光を照射したときの屈折率の変化を測定した。液晶テレビや光通信では「電場」によって屈折率が変化する現象を利用しているが、「光」によって屈折率が変化する現象はフォトリフラクティブ現象と呼ばれ、さまざまな物質で研究が行われてきた。

今回の研究で、ハロゲン化金属ペロブスカイトが、フォトリフラクティブ効果を示すことを、世界で初めて明らかにした。さらにこの屈折率変化を利用して、レーザー光の偏光を回転させる実験に成功し、ハロゲン化金属ペロブスカイトの光通信デバイスなどへの新たな利用法を示した。

同研究成果は、3月23日に国際学術誌「Advanced Optical Materials」に掲載された。