2018年04月12日
「日豪水素サプライチェーン」実証に着手
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:なし

「豪州に埋蔵されている未利用エネルギーで水素をつくり日本へ運ぼう」という、国際的な水素サプライチェーン構想が動き出す。川崎重工業、岩谷産業、電源開発、丸紅の日本側4社と豪州のAGL Energy Ltd(AGL)の計5社でコンソーシャムを組む。豪州・ビクトリア州ラトローブバレーに埋蔵する未利用エネルギーの褐炭から水素を製造・液化して、日本へ輸送する日豪協力プロジェクトだ。

コンソーシャム5社は、豪州政府から補助金を受けて、今後、水素ガス精製、液化水素製造、陸上輸送および積出のパイロット実証と、水素サプライチェーンの商用化に向けた検討を行う。実証設備の建設は2019年から順次開始する。最初の水素製造と輸送試験は2020年から21年の間に実施予定だ。

豪ビクトリア州の褐炭可採埋蔵量は推計約2000億トン。日本の総発電量の約240年分と大きい。褐炭は水分を多く含み重量当たりのカロリーが低いため輸送に適さない。乾燥させると自然発火する。この困難な未利用エネルギーを有効活用し、豪州石炭産業の活性化と、日本の資源確保に生かそうというのが同プロジェクト最大の狙いだ。