2018年05月11日
デンカ、クロロプレン需要好調で増産へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:デンカ

デンカはクロロプレンゴム(CR)の内外需要が好調なため、日・米両工場で増産することにし具体的な検討に入った。ただ、規模については「まず、ボトルネックの解消から考える」(山本学社長)としており、とりあえず年間1~2万トン程度の増産にとどまりそうだ。

同社は現在、青海工場(新潟県)に自社技術のアセチレン法による年産10万トンと米国ルイジアナ州(デンカ・パフォーマンス・エラストマー)にブタジエン法同5万トンの2拠点で計年産15万トンのCR生産設備を持つ。世界のCR需要は年間約30万トンなので同社は世界シェアの40%を保有する世界のトップメーカーとなる。

物性は天然ゴムに近く、機械的強度や耐熱性に優れている。このためモーターバイクや農業機械などの伝動ベルト、重機高圧ホース、自動車用エアサスペンションなど需要は工業用途が中心だが、最近は品質の高機能化とともに需要範囲が広がり両工場ともフル稼働状態が続いている。このため増産する方針だが、CRの場合、生産工程が複雑なため、まず現有設備を工程ごとに見直しボトルネックの解消から着手することにした。投資額は数十億円を要する見込みだ。