2018年05月21日
三洋化成、均一網目構造の高度SAP工業化
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三洋化成

三洋化成工業(本社:京都市東山区、安藤孝夫社長)は21日、連結子会社のSDPグローバル(本社:東京都中央区、下南裕之社長)が合同資源(本社:東京都中央区、舘良男社長)と共同で、高吸水性樹脂(SAP)の製造に「制御ラジカル重合法」を適用し工業化することに成功したと発表した。ポリマーの網目構造を均一化することで、さらに吸収性能に優れた画期的な技術を開発した。

SAPは架橋構造をもつ親水性のポリマーで、自重の数百倍から千倍の水を吸収・保持する機能をもつところから、主に紙おむつなどの衛生材料に使用されている。製法はポリアクリル酸系のものがほとんどだが、架橋した三次元の網目内に水を保持する構造のため網目構造の均一性という点に課題があった。

三洋化成グループは今回、均一な分子量のポリマーを得る方法として制御ラジカル重合法に着目し、SAPに適用することに成功した。水溶液重合に有効なだけでなく、安全性や臭い、着色もなく、安価に工業化できるる。有機ヨウ素化合物を用いることで製品化を実現した。今後は紙おむつの高度なニーズに対応して、グローバル展開を加速していく方針だ。

同社は今回技術が評価され、ヨウ素学会から2018年度「ヨウ素学会賞」を受賞した。


ニュースリリース
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1526886555.pdf