2018年06月12日
NEDO、国内初 高効率帯水層蓄熱システム開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

NEDOと日本地下水開発(本社:山形市、桂木宣均社長)は11日、秋田大学、産総研とともに地下帯水層に冷熱・温熱を蓄え、冷暖房に有効利用できる国内初の高効率帯水層蓄熱システムを開発したと発表した。再生可能エネルギーの画期的な利用システムとして注目される。

同技術はこれまで日本地下水開発の本社事務所の空調設備に導入して実証実験してきた。従来システムと比べて初期コストの23%削減、1年間の運用コストは31%削減できる見通しがついた。今後、さらに稼働データのモニタリングやシステム効率の検証い方針だ。

開発したのは、2本の井戸を冬季と夏季に交互利用し、地下帯水層に冬季に冷熱、夏季は温熱化して蓄え、交互に利用するという画期的な蓄熱・利用のシステム。夏シーズンには冬場に蓄えた冷熱水を地上の冷房用に使い、また太陽熱で加温して地下帯水層に蓄える。冬季には、その暖かい地下水を暖房用に利用する。そこで低温となった地下水を冷熱源として地下帯水層に蓄える。こうして地下帯水層を2本の井戸で交互に利用し大幅な省エネ化を実現する。今回は(1)密閉式井戸の開発(2)専用ヒートポンプの開発(3)ヒートポンプの出力に合わせた機械のインバーター制御、などを開発、実現した。2019年以降は秋田大学と産総研が東北地方5地域でさらに本格的な同システムの適合性などを評価することにしている。