2018年07月10日
「通商白書」中国の技術力、特定分野集中も
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

経済産業省は10日、2018年版「通商白書」を発表した。「世界経済」「転換するグローバル経済」「施策と戦略」の3部構成。「グローバル経済は現在、WTOに基づく自由貿易体制に対する挑戦と、デジタル貿易の拡大を含むデジタル変革の進展、中国等の新興・途上国の台頭など大きな転換点に直面している」として、現状や動向についての調査結果をまとめた。

この中で、新興・途上国の経済成長について、特徴やそれに伴い生じうる問題など、多角的に分析を行った。その中でも特に躍進が大きく、急速な変化を遂げつつある中国経済について「新たな過剰生産問題の可能性がある」として集積回路産業を取り上げ「政府支援により設備投資が急拡大した」と指摘した。

中国のイノベーション力について「中国の特許公開件数は、過去18年間で米国・日本の公開件数と同等規模に達した」と数字を挙げて説明。技術開発の傾向として「IT関連では主要国並みに伸びているが、バイオ・医療関連では米国と、機械関連では日本と、それぞれ差が開いている状況にあり、特定分野に集中して技術力を高めてきたことが伺える。現時点で劣位にある分野でも、国の重点分野として競争力を高めようとしていることから、今後IT関連技術のように急伸する技術分野が出てくる可能性がある」との分析結果を示した。


2018通商白書(概要)
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2018/pdf/2018_gaiyou.pdf