2018年11月28日
産総研、光で粘弾性を制御できるポリマー開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は、光で粘弾性を制御できるポリマー材料を開発した。光を照射するだけで、粘弾性を可逆的に制御できる易加工性のポリマー材料を開発した。27日発表した。

光答性部位を持つポリマーで、通常のプラスチックと同様に、加熱成形によりフィルム状などの任意の形態に加工できる。また、紫外光を数分間照射すると柔らかくなり、可視光(緑色光)を数分間照射すると硬くなるという性質を持ち、この軟化と固化のサイクルを繰り返すことができる。

材料全体または表面が柔らかい状態では、材料の粘着性(接着性)や摩擦力、材料の衝撃吸収性がより高く、これらの特性を光照射により可逆的に変化させることで、光機能性材料としての応用が期待される。例えば、粘着性の変化に着目して、この材料をテープ状に加工すれば、スマート接着剤が実現できる。接着のやり直しや使用後の接合部材のリサイクルが容易になり、接着接合プロセスの歩留まり向上や省資源化につながる。特に、精密光学材料の仮止めや付け直し、医療用部材の低刺激での着脱、リワーク性に優れた部品組み立て方法の実現が期待される。

今年9月に米国化学会の学術誌「ACS Applied Materials & Interfaces」に掲載された。
また、12月5~7日に幕張メッセ(千葉市)で開催される「第2回接着・接合EXPO」で紹介する。