東北大・北大など、高活性な非白金酸素還元触媒開発
東北大学 工学部の阿部博弥助教(学際科学フロンティア研究所)をはじめ北海道大学、電気通信大学からなる研究グループは18日、非常に簡便なプロセスで高活性な非白金酸素還元触媒の作製に成功したと発表した。

白金を使わずに白金以上の酸素還元能を有する、高温で原料を炭化させる焼成プロセスを経由せず、すべてウェットプロセスで触媒電極が作製できる、などの特長を有する。これらの触媒分子の活性原理を実験および理論計算によって解明した。

研究グループは、顔料などに用いられている鉄フタロシアニン系有機金属錯体を炭素材料表面に単分子状で修飾することにより、非常に活性の高い酸素還元反応特性を示すことを見出した。

この触媒分子は鉄系の有機金属錯体のため、安価で資源制約のない非白金触媒として期待できる。同時に、理論計算を組み合わせることで、その高活性化の理論的な解析にも成功した。

今回見出した高活性な酸素還元反応触媒電極は、燃料電池や金属空気電池の脱白金化を通して、これらのエネルギーデバイスの普及へ貢献できると期待される。

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