東レ、自動車エアバッグ用ナイロン66原糸値上げ
 東レは21日、自動車エアバッグ用途へ販売するナイロン66原糸および基布について、2022年10月出荷分から価格改定(値上げ)を実施すると発表した。値上げ幅は、原糸・基布ともに最大35%となる。

 自動車エアバッグ用原糸・基布の主原料であるナイロン66ポリマー価格は、世界的な景気回復に伴う需要増加と、ロシア・ウクライナ情勢による供給懸念を背景とした原油価格が高止まりしている。主原料以外でも、副資材、燃料エネルギー、運輸費等も含めて、昨年来あらゆる価格の上昇に全く歯止めがかかっておらず、原糸・基布の製造コストは、今後も一層の上昇が見込まれる。

 さらに4月以降の急激なドル高による調達コスト上昇や円安による日本向け輸出価格への為替変動影響により、更に厳しさを増している。これまで、固定費および比例費のあらゆる項目について徹底的な費用削減・効率化の自助努力を続けてきたが、足下の各種コストの上昇は、これらの努力で吸収できる範囲を超えており、安定した品質での商品供給や、さらなる高付加価値品の開発のためにも、今回の値上げが必要と判断した。

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