東レは26日、AIを活用して、これまでの各種データをもとにマテリアルズ・インフォマティクス(MI)技術で物性データを予測するDXサービスを今年度下期から開始すると発表した。これにより、顧客自身が樹脂材料を選定する際、最適な樹脂選定をアシストするとともに、顧客が要求する樹脂材料を短期間で提供することにより、顧客の製品開発のスピードアップに貢献します。
樹脂材料開発には、これまで多くは熟練した研究者の知識や経験をもとに試行錯誤を繰り返しながら行われてきた。しかし、樹脂の特性評価などに長い時間を要するなど、開発に効率化が求められていた。
東レは、AIを活用して過去の蓄積データから最適な配合処方を予測することで予測モデルの精度を大幅向上させ、膨大なデータから効率的に物性を予測する独自の物性予測システムを構築した。
さらに今回、この物性予測システムを社外向けのデータベースに組み入れ、顧客は要求特性をシステム上で入力するだけで、東レの製品や開発品の特性などを知ることができる樹脂材料データベースを開発した。
顧客はこれらのデータを使用し、機械特性、成形時のプロセス特性などを検索することで、材料選定、設計、試作の流れをシームレス、迅速につかむことができる。開発スピードアップと、コスト削減、品質向上に寄与する。同社は、2022年度下期からこのDXサービスの事業化を開始する。
なお、10月19日~26日(水)にドイツ・デュッセルドルフで開催の「K 2022-第22回国際プラスチック・ゴム産業展」に、同DXサービスを展示する。
<用語の解説>
◆マテリアルズ・インフォマティクス(MI):
統計分析やAIを活用したインフォマティクス(情報科学)の手法により、材料開発を高効率化する取り組みのこと。
ニュースリリース
https://www.toray.co.jp/news/details/20220922163816.html