富士和光、前立腺癌と良性前立腺疾患の識別試薬開発
 富士フイルム和光純薬(本社:大阪市中央区)は26日、迅速測定が可能な全自動蛍光免疫測定装置「ミュータスワコー i50」の専用試薬として、前立腺癌と良性の前立腺疾患との識別に優れた、体外診断用医薬品「ミュータスワコー S2,3PSA・i50」を同日発売したと発表した。弘前大学と共同開発した。

 前立腺癌は、高齢化の進行とともに罹患数が年々増加し、2019年の日本人男性の部位別癌罹患数では第一位と高い比率を占めている。

 前立腺癌の患者は血液中の PSA値が高くなることが知られている。だが、前立腺肥大症などの良性の前立腺疾患でも PSA 値が高値を示すことがあるため、PSA 値が高くても必ずしも前立腺癌とは限らな。確定診断には
針生検を行う必要があるが、針生検は患者への負担が大きく、また感染症や排尿障害などの合併症リスクを伴う。このため、前立腺癌と良性疾患を識別できる、精度の高い検査指標が求められる。

 今回発売する「ミュータスワコー S2,3PSA・i50」は、「ミュータスワコー i50」の専用試薬で、約9分で自動産出算出でき、弘前大学では二次スクリーニング検査に活用している。従来検査法と比較して、前立腺癌と良性疾患との識別精度が向上し、前立腺癌でない患者への針生検の低減が期待できる。同社は今後、同製品の早期保険適用を目指す。
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1664174615.pdf

戻る