東北大、高誘電体を予測・発見するAI手法開発
 物質の微視的構造が示す振る舞いを高精度に理解することは、新規材料の創出や特性制御に不可欠だが、その本質的理解には膨大な計算資源を要する量子力学計算が必要で、大規模材料探索や迅速な設計にとって大きな障壁となっていた。

 東北大学大学院工学研究科の熊谷悠教授らのグループは7日、物質の原子配列情報のみから誘電率へのイオンの寄与を高精度に予測できるAI手法を開発したと発表した。
 
 具体的には、物質の結晶構造をグラフとして表現し、グラフニューラルネットワーク(GNN)を用いてBorn有効電荷を予測するとともに、最新の機械学習ポテンシャルを活用してフォノン特性を算出し、それらを物理法則に基づく理論式により統合し、イオン寄与を求める新たな計算枠組みを構築した。
 
 同手法により、従来は高精度な予測が困難だったイオン寄与を、量子力学計算と比べて大幅に少ない計算コストで高精度に予測できることを実証した。さらに、同モデルにより数千種類の化合物を高速にスクリーニングし、多くの有望な新規材料候補群を抽出した。
 
 本成果は、AIと物理理論を融合した次世代材料開発の基盤技術として重要な意義を持ち、材料探索の効率化と革新的材料の創出加速に貢献することが期待される。

 本研究成果は物理学分野の国際学術誌「Physical Review X」(26年4月7日付)にオンライン掲載された。

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