2005年04月01日
加速する樹脂サイディングの普及
普及促進委員会の佐々木代表に展望を聞く

 樹脂(PVC)サイディングの普及に加速がついてきた。樹脂サイディングメーカーの信越ポリマー、ゼオン化成、三菱樹脂の3社と塩ビ工業・環境協会(VEC)とで構成される「樹脂サイディング普及促進委員会」によると、04年度(04年4月〜05年3月)の施工実績は約3,000戸強となる見込み。03年度の実績は02年度の1.7倍の約2,500戸となったが、04年度はさらにそれを20%強上回ることになりそう。1999年が150戸、2000年でも400戸にとどまっていたことを考えると、ここにきての伸びは驚異的ということができる。同委員会の代表を務める佐々木慎介氏(大洋塩ビ管理部長付部長)にその背景と今後の展望を聞いた。
 
 --はじめに、日本におけるこれまでの施工実績の推移からご紹介いただきたい。
 佐々木 日本で家屋の外壁に樹脂サイディングが採用され始めたのは1997年度で、この年の施工家屋はわずか30戸であった。北米や西欧と異なり樹脂サイディングそのものの存在とその優れた機能が世間に全く知られていなかったからで、翌年の1998年度も70戸、99年度も150戸と低迷が続いた。しかしその後は次第に加速が付いてきて2000年度が400戸、01年度が800戸、02年度が1,500個、03年度が2,500個--と推移、そして04年度は3,000戸強になったと見ている。
 
 --この数年の高成長の背景についてはどのように分析していますか。
 佐々木 最大の要因は、塩ビサイディングの存在とその固有の様々な特徴が次第に世間に知られるようになってきた点にあると言える。すなわち、(1)耐久性に優れ、寿命が長いこと(2)衝撃や圧力に強く、また弾力性にも富んでいること(3)軽く、施工しやすいこと(4)雨仕舞いがよく、雨水の染み込みや吸い込みがないこと(5)汚れが簡単な水洗いで落とせるなどメンテナンスがほとんど不要なこと--といった様々な特徴が一般市民と建築関係者の双方に広く知られ始めてきたことが大きいと考えている。
 中でも特に高い評価をいただいているのは、耐久性に優れている点だ。塩ビサイディングには、(1)潮風や酸性雨や火山灰などによって錆びる心配がないこと(2)冬の凍結によるひび割れがないこと(3)塗装のように剥げることがなく塗り替えが不要なこと(4)長年使用してもほとんど変色せず強度も低下しないこと--など特有の耐久性能が備わっているからで、このため現在の市場は北海道から九州まで極めて広い範囲にわたっている。
 
 家屋の外装材に対するニーズは地域によってもかなり異なる。例えば北日本では凍結に十分耐え得る製品が求められ、沿岸地域では塩害に負けない外装材が要求される。また沖縄では強烈な太陽熱を遮断する材料が必要とされる。塩ビサイディングはそうした様々なニーズに全て十分に対応できる点が大きな強みであり、こうした点が世間でもきちんと認識され評価されるようになってきたことは私達にとって大きな励みだ。
 
 --北米等と異なり、わが国では最近までは塩ビサイディングの存在そのものが全く世間で知られないままきたわけで、この点が普及の大きな壁となってきたと言えます。この問題に対してはどんな手を打ってきましたか。
 佐々木 とにかく関係業界全体で思い切ったPR活動を展開していくほかないと考え、原料樹脂メーカーの集まりである塩ビ工業・環境協会と塩ビサイディングメーカー3社とでPRを中心とした普及促進の専門組織「樹脂サイディング普及促進委員会」を立ち上げて具体的なプランを練り上げ実行に踏み切った。
 最も力を入れてきたのは、工務店やビルダーさらには建材店など建築関係者の皆さんを対象にしたセミナーや製品展示会の全国展開であった。セミナーでは、家屋の長寿命化と暮らしの向上には優れた外装材の採用が不可欠なことや、塩ビサイディングがそうしたニーズを満たす最適の材料である点等を大学の建築学科の教授など専門家の方々から分かり易く解説していただいてきた。加えて、省エネ効果も大きいことや中・長期で捉えると経済面でも十分メリットが得られることなども説明していただき、毎回大きな反響を得ることができた。開催回数は02年度から04年度までの3年で合計25回におよんでいる。
 また、著名な大学と共同で凍害試験、塩害試験、遮熱効果試験なども実施してその結果を公表するといった活動にも取り組んできた。このように多くの学界の方々から積極的に参加・ご支援いただけたことを深く感謝したい。
 一方、建材・建築関係の大規模展示会には隈なく参加、一般市民に塩ビサイディングがどういったものかを知ってもらうためのPR活動も懸命に進めてきた。04年の「ジャパンホーム・アンド・ビルディングショウ」にも出展したが、このときも私達のコーナーには多数の来場者が立ち寄って下さり対応に大童となった。アンケートにも多くの人が積極的に応えて下さったが、その中には私達の参考になるご意見も結構多く、その意味からも大きな成果があったと言える。
 
 --今後の需要の展望についてもお聞きしたい。まだまだ伸びていくとお考えですか。
 佐々木 潜在需要は相当な規模にのぼると判断している。しかし、まだまだ多くの市民や建築関係者の方々の間では知名度が低い。先ほど述べた塩ビサイディングの持つ特徴をきちんと知っていただければ需要は急ピッチで増えていくはずだ。
 私達「塩ビサイディング普及促進委員会」では、2008年度における需要を2万戸と想定してその確実なキャッチアップを当面の目標に掲げていくことにしている。工務店や地域の中小ハウスメーカーならびに建材店の方々の理解と協力をどこまで得られるかが大きなポイントと考えている。先ずは、リフォームの際の採用を強力に推進していきたい。
 
 --ついては、どんな対策を進めていくお考えですか。
 佐々木 繰り返しになるけれど、最大の課題は先ずは建築関係の方々に塩ビサイディングをよく知ってもらうことだ。ついては、大学等の公的機関にあって家屋の質の抜本的な改善・向上に取り組んでおられる専門家の方々のご協力を得ながら、引き続きセミナーや展示会を各地で開催していくようにしたい。また、各種の機能・性能試験も継続してその結果をできるだけ多くの人に知ってもらうようにすることも大切と考えている。


樹脂サイディング普及促進委員会代表 佐々木慎介氏